鬼といえば高木ブーな有川(@otomechan_nel)です。
さて、今回は遙かシリーズの「鬼」についてです。ズバリ
なぜ敵を「鬼」に設定したのか?
ということ。
遙かシリーズはRPG的な要素もあるので、「敵」が存在します。特に「鬼」はシリーズ通して登場し、初代と2、6では主人公と対立する立場です。
ではそういった敵役になぜ「鬼」を設定したのか?
それを考えていきたいと思います。
今回の記事は以下の順番で進めます。
- 予想:敵を「鬼」に設定した理由
- 遙かシリーズに登場する「鬼」の紹介
- その鬼の特徴
- 現実世界の「鬼」の紹介
- その鬼の特徴
- 共通点・相違点
- 結論:鬼にした理由とは?
ではでは、参りましょう。
※この記事はネット上の情報から考察した、ゆるっと記事です。
0.予想:平安期に恐れられていたもの…妖怪、怨霊、鬼だから?
正直全然が予想がつかない(笑)
会議とかでいろいろ案を出した中で鬼という設定にしたと思うんですけど…怨霊でもよかった気はするんですよね。でも平安時代の怨霊って著名人なんですよね。
今みたいな幽霊のような不特定多数ではなくて、「平安 怨霊」とかで調べると個人名がでてくる。
そうなると、敵もその個人になってしまうので、ストーリーにその個人をからめる必要が出てくる…とか考えて鬼にしたのかな?とも推測。
1.遙かシリーズの「鬼」
wiki様のお力を借りて、記述の中で鬼に関するところを抜粋させて頂きます。
1-1.『遙かなる時空の中で』
初代遙かでは4人の鬼がいました。
- アクラム
- イクティダール
- シリン
- セフル
の順番でみていきましょう。
アクラム
誕生日 | 12月4日 |
年齢 | 26歳 |
身長 | 182cm |
鬼の一族の首領。主人公を京に召喚した人物で、龍神の力を利用し京を支配しようと企む冷酷な性格。常に仮面をつけており、肩には黒麒麟を乗せている。(wiki)
イクティダール
誕生日 | 11月1日 |
年齢 | 35歳 |
身長 | 193cm |
鬼の一族の副官。イノリの姉であるセリと愛し合って恋仲になったものの、アクラムに対する忠誠心にも背けず、争い合う人間と鬼の狭間で苦しむ。
鬼と通じたことを村中から非難され、姉ともども迫害されたイノリからは、姉を騙した男として激しく憎まれている。(wiki)
シリン
誕生日 | 3月7日 |
年齢 | 24歳 |
身長 | 170cm |
鬼の一族の(作中で確認出来る)唯一の女性。自分の美しさを絶対的に信じ、京の人間を蔑む高慢な性格だが、愛するアクラムのためなら死すら厭わない一途さも持つ。
アクラムが(力を利用出来る神子として)執着する主人公に、強い嫉妬心を抱いている。(wiki)
セフル
誕生日 | 5月15日 |
年齢 | 14歳 |
身長 | 163cm |
鬼の一族の少年。鬼と人間のハーフ。
混血だったために捨てられた彼を、アクラムが拾って育てた。残虐な性格でアクラムにしか心を開かず、他の者には警戒と敵意を剥き出しにする。(wiki)
1-2.『遙かなる時空の中で2』
お次は遙か2です。
遙か2は初代遙かから100年後です。
初代から引き続き、アクラムとシリンの二人が登場します。
アクラム
主人公の前に何度も現れる仮面の謎の男。その正体は100年前、先代の龍神の神子と八葉に敗れた鬼の一族の首領である。
退廃的な思考の持ち主で、全て滅んでしまえばいいと願っている。花梨と千歳を利用し、京の破壊を目論む。前作のように敵意を露にする場面はなく、印象が柔軟になった。(遙か2wiki)
シリン
院のお気に入りとされる白拍子。鬼の一族。千歳を龍神の神子として院に引き合わせるなど、彼女のために動き回る反面、本人はその事実を否定しており、言動に矛盾がある。
前作同様アクラムを恋い慕っており全ては彼の為と発言するが実は前作の終盤の戦いの中、黒龍の力を求めたアクラムにその力の代価として黒龍の意思に従うと言うことをアクラムが拒否したため彼を庇ったシリンがその影響を強く受けている。(遙か2wiki)
1-3.『遙かなる時空の中で3』
遙か3では、主人公の剣の師匠となる鬼が登場します。
リズヴァーン
地の玄武。誕生日:1月9日。年齢:34歳。身長:193cm。
鞍馬山の天狗や鬼とも呼ばれている。鬼の一族で、九郎と主人公の剣の師匠。シリーズに登場する鬼の一族が使う、姿を消したり一瞬で移動したりする能力(隠形)を使う。(遙か3wiki)
1-4.『遙かなる時空の中で5』
遙か4は登場せず、遙か5へ飛びます。
幕末が舞台の遙か5では一人鬼が登場します。
福地桜智
長崎で鬼の一族の頭領の血筋の子として生まれる。髪や目の色の違いから「鬼」や「異人」として人々に迫害され、幼い頃に旨の大怪我を追った。
250年ほど前に幕吏が神子と鬼に施した呪術「傷着せ」を引き継いでおり、桜智が主人公に強い思いを抱いたことで再び発動。その呪術により桜智の身体から傷が消え、主人公にうつる。
(『遙かなる時空の中で5メモリアルブック完全設定資料集』(ルビーパーティー監修 株式会社光栄 2011年 p51,55)
1-5.『遙かなる時空の中で6』
最後に、遙か6からは3人。
- ダリウス
- ルードハーネ
- 本条政虎
の3人です。
ダリウス
鬼の一族の首領。鬼の一族の平和な暮らしを維持するため、帝国軍からの取引に応じ、裏切られた過去がある。
この結果が後に強兵師団や憑闇へと発展。さらに帝国軍はそのすべてを鬼の所業としたため、鬼たちは追われてしまう。一族に伝わる仮面を持っている。
ルードハーネ
鬼の首領の本筋でありながら、鬼としての力が弱かったルードは力をつけるために身体を酷使する鍛錬を続けていた。
そこに、首領は血統ではなく実力で選ぶべきだと説き、その実力とカリスマ性で鬼の一族をまとめていったのがダリウス。ダリウスが革命のために里を出ると知り、その計画を支えるために同道する。
本条政虎
人間と駆け落ちした鬼の一族を父に持ち、迫害によって各地を転々としていた。
鬼の一族
古来に大陸からう移り住んだ種族。
日本人とは異なる外見と特殊な力をもつため、人々から忌み嫌われてきました。以前は周囲に結界を張った隠れ里で密やかに暮らしていましたが、帝国軍が低との穢れを鬼の仕業としたために、現在はダリウスの指示で国外へと住処を移しています。
(以上『遙かなる時空の中で6メモリアルブック完全設定資料集』ルビーパーティー監修 株式会社光栄2015年 p23,47,55,83より)
と、なると鬼は平安期以降ってことになるな。これから遙かが平安より前の時代で作品を作るなら、また違う敵が設定される可能性もあるわけだな。
てことで、以上を踏まえて遙かシリーズの鬼の特徴をまとめておきます。
2.遙かシリーズの鬼の特徴
上記の人物紹介や、ゲーム本編を元に遙かに出てくる鬼の特徴を箇条書きでまとめてみます。
- 金髪碧眼(桜智、ルードは?)
- 外見は非常に美しい
- 瞬間移動ができる
- 異形のものとして恐れられたり、迫害されたり
- 神子を召喚することもある(遙か初代)
- 100年以上生きることができる?
その金髪碧眼設定も、遙か5の桜智やルードハーネは薄緑色(エメラルド)なので、どういう理屈で髪の色が違う人が出てくるかは不明。
5の桜智も一応、鬼の首領の血をひいているはずなので、立場的にはダリウスと一緒なので金髪でもいい気はしますけど…先代からだいぶ年月がたってるから?でもそうなると、今度はダリウスが完全に金髪の理由は??とかなりますね。
迷宮入り。
ただ、ルードの場合は「鬼としての力が弱い」という設定があるので、そこが原因かもしれません。 虎とセフルは鬼と人間のハーフだけど、血の濃さが違ったのか、虎は茶髪で、セフルは金髪。
しかし、ゲーム本編ではこの髪色については特に言及がなかったはずなので、なんとも言えないですね。
外見の美しさや、瞬間移動などは基本みんなやってるので、この力は衰えていない様子。
ルードのように鬼の力が弱いとできないというパターンもありますね。
あとは、神子の召喚。
初代遙かでは、神子を召喚したのはアクラムでした。あとは龍神が「京がピンチ!!」ということで神子選定をして呼びよせています。
3.現実世界の「鬼」
でも、中には泣いた赤鬼みたいに優しい鬼のイメージもあるかもね。
今の鬼の一般的な外見:
- 頭に2本もしくは1本角があり、髪はアフロ、口に牙が生えていている。指に鋭い爪、虎皮のふんどしや腰布をしていて、金棒をもった大男。
- 鬼は元々「こうだ」と定まった形をしていない。
- 変身能力があり、見目麗しい青年や美女の姿で現れたり、相手の家族や知人に化けることができる。
- 人に危害を加え、人を食べてしまう存在とも考えられていた。また、地獄において閻魔王の元で、亡者を責める獄卒のイメージもあった。
- 中世の能楽では、鬼を人が怨霊になったものや地獄のものとする例が多い。
上記のように、「悪いもの」「恐ろしいもの」のイメージが強いが、鬼が村を守ったとして崇めているところもある。
なので、「悪」だけでなく「善」、「神」と様々な形で受け継がれている。
ただ、「怖ろし気」「力強く」「超人的」のイメージは多くの鬼に共通している様である。
他にも、鬼の語源については以下のような記事がありました。
鬼という名前には「おぬ(いない、かくれる)」という意味があります。これは鬼という存在が人間とは住む世界の違う「見えない者」であることに由来しています。鬼には不思議な力があるとされており、多くの怪異の原因になる存在であると考えられていました。
また、平安時代の中期までは鬼は「もの」と呼ばれており、悪霊や不吉なものを表す意味もあったのです。
それから、美男美女の姿で現れたり、語源とされてる言葉が「見えない者」だったり・・・この辺を活用したのが遙かの
- 外見は非常に美しい
- 瞬間移動ができる
っていう設定かもしれません。
あとは、アクラムとイクティダール、シリン、セフルのモデルになっていそうなお話が。
酒呑童子
昔、丹波の国の大江山には「酒呑童子(しゅてんどうじ)」と呼ばれる鬼が住んでいたといわれています。酒呑童子は数ある鬼を部下に持つ鬼の統領であり、各地で悪さを働いたとされています。神隠しにより民や姫を誘拐する酒呑童子に対し、当時の帝は平安時代の武将「源頼光」を大江山に送り込みます。
正面から挑んでは勝ち目のない鬼たちに対して、源頼光は毒入れの酒を飲ませる策に打って出ます。これによって昏睡した酒呑童子と仲間の鬼たちは源頼光に一網打尽にされることになりました。
茨木童子
茨木童子(いばらきどうじ)は酒吞童子の右腕とされている伝説の鬼です。その性別や立ち位置については諸説あり、女の鬼で酒吞童子の恋人だったとする説もあります。酒吞童子と一緒に京都を荒らしまわった茨城童子でしたが、先述した源頼光の策によって苦戦を強いられることになりました。
鬼童丸
京都には酒吞童子と人間の子どもである「鬼童丸(きどうまる)」の言い伝えが残っています。源頼光が酒呑童子を退治した際、鬼たちに拉致された女たちも同時に解放されました。しかし、その中の一人に酒呑童子の子どもを妊娠している女がいたというのです。女は気が触れてしまっており、故郷に帰ることもできないまま一人で鬼童丸を産み落としました。
- 鬼の頭領である酒呑童子→アクラム
- 酒呑童子の右腕とされている茨木童子→イクティダール
- 茨木童子は女の鬼で、酒呑童子の恋人言う説もあり→シリン
- そして最後に酒吞童子と人間の子どもである鬼童丸→セフル
もちろん、細かい設定は全然違いますがここからヒントを得ている可能性もありますね。
ちなみに現代において、「結局鬼はなんなのか?」についての解釈はいくつかあるんですが、数点引用しておきます。
「おに」の初出は多分日本書記(720)の欽明天皇5年(544)12月の項だろうと思います。
『彼嶋之人、言非人也。亦言鬼魅、不敢近之。』
(その島の人、人にあらずともうす。また、おにともうして、あえて近づかず)
『有人占云、是邑人、必為魅鬼所迷惑。』
(人ありて占いていわく、必ずおにの為にまどわされん)
ー中略ー
具体的にはここに出てきている「鬼魅」というのは外国人の海賊か何かをさしているのではないかと思われます。
ー中略ー
日本書紀の欽明天皇の巻に描かれた「鬼」は実際問題として外国人のようです。民俗学者の一部には、「鬼」というのは通常暮らしている共同体の範囲外に住む人のことである、と捉える向きがあります。これは確かにそういう面があったようです。
一般に昔の日本の村では、村の一番外側のところに、道祖神・地蔵・あるいは巨石・古木などがあって、そこが一種の結界になっていました。そしてその結界の外側に存在するものは「鬼」として処理されたのです。
上記のように、外国人のことを言っていたようであるという話もありますが、他にも以下のようなものがあります。
小松和彦は
想像の世界の中において、人々に鬼の実在を確信させた背景には、鬼とみなされた人たちの存在があった。
とし、これを次のように分類する。
(1)大和朝廷などの体制に従わない人々
(2)体制から脱け出し徒党を組んで乱暴狼藉を働く山賊
(3)農民とは異なる生業に従事する山の民や川の民、商人や工人、芸能者たち、山伏や陰陽師、巫女たち
(4)鬼もしくは鬼の子孫とされ、自分たちもそのように考えてきた家や社会集団(『世界大百科事典』)
農民(百姓)からしたら、普通と違う職業の人っていう感覚で自分たちとは違うものっていう見方だったのかもな。
昔なら余計にそうね。だからこそ、遙か世界の鬼たちも「異形のもの」として恐れられていたんだし。
4.現実の鬼の特徴
- 一般的なイメージは「怖い」もの
- 一方で場所によっては「善い」もの・「神」としても崇められている
- 一般的な外見:角がある。虎皮のパンツ。アフロ。
- 外見:美男・美女・相手の知り合い・家族にもなれる
- 実際には外国人、朝廷に従わない人々、山賊、農業以外の職に携わる人、鬼の家系の人?
5.遙かと現実の「鬼」の共通点・相違点
ここまで見てきた遙かと現実の鬼の共通点・相違点をまとめておきましょう。
共通点
- 恐怖の対象
- 大衆とは違う存在
- 美しい外見(にもなれる)
- 強い力を持っている
相違点
- (現実)恐怖の一方で、善・神という存在でもある
…といったところでしょうか。
遙かを作るときに、制作側がいろいろ調べて「鬼」のイメージに寄せていった可能性は高いので共通点が多いのも不思議ではないですね。
相違点としては、恐怖や悪とは反対の「善い」イメージももっている…ということですね。
遙かでは基本的に敵として描かれているのでその辺りは薄くなっています。
しかし、鬼との恋愛ルート(6では八葉だし)もあるので、悪いだけではなく「惹かれる」要素を持っていることは間違いないです。初代遙かのあかねも、漫画版ではアクラムに惹かれていきます。
さて、では結論いきましょう。
結論:なぜ遙かは敵として「鬼」を設定したのか?
導き出せる結論としては
鬼が怖いもののイメージであり、
力が強いなどの「圧倒的存在」にもできたから。
でしょうか。
と、いうことで今回の記事は以上です。
では、ここまでお読み頂きありがとうございました。
他の記事でお会いしましょう!
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